あれ?去年に外壁塗装をしてもらったばかりなのに、塗装が剥がれてきている。
あれ?去年外壁塗装してもらったわが家は外壁塗装工事真っ只中。素人が見ても雑なのがわかる...。業者にいうべき?なのに塗装が剥がれてきている。
高額な工事費用を支払ったにもかかわらず、数年で手抜き工事が発覚することは、少なくありません。
また、外壁塗装中に、手抜き工事を見つけてしまうこともあるでしょう。
時間もお金も費やして外壁塗装をしたのに、手抜き工事をされてしまっては、また塗り替えが必要になってしまいます。
本記事では、よくある手抜き工事の事例を、工程ごとに紹介します。
最後までご覧いただくと、手抜き工事例を知ることができ、業者に指摘することができるようになります。
手抜き工事にあわないための対処法を知ることで、無駄な時間やお金を費やす必要がなくなるので、ぜひ最後まで読み進めてください。
外壁塗装手抜き事例14選
外壁塗装の手抜き工事が厄介なのは、気づかずに工事が終わってしまうと、見た目で判断しづらいことです。
数年後に劣化症状が出て初めて気づくパターンも多いのです。
ここからは、外壁塗装中に手抜き工事を指摘できるよう、14の事例を4つの工程に分けて紹介していきます。
- 外壁コーキング工事の手抜き
- 塗装下地処理工程の手抜き
- 塗装工程の手抜き
- その他の工程での手抜き
それぞれ詳しく解説します。
外壁コーキング工事の手抜き
外壁塗装において、コーキングは防水性能を高めるために重要な工事です。
手抜き工事をされると、最悪の場合には、雨漏りに発展するため注意しましょう。外壁コーキング工事の手抜きには、以下の3つの事例が考えられます。
- 増し打ち
- プライマーを塗らない
- マスキングテープなし
それぞれ詳しく解説します。
増し打ち
見積書に「撤去・打ち替え」と記載があるにもかかわらず、増し打ちで対応している場合は、手抜き工事の可能性が高いといえます。
サッシ周りや入角部など、既存のコーキングの撤去が困難な箇所で、なおかつ適正な施工方法であれば問題ありません。
ですが、外壁同士の隙間のコーキングの場合、厚みが確保できないため、増し打ちは防水性能上の効果がありません。
増し打ちの事例について詳しく知っておくことは、手抜き工事の有無の認識や将来的な雨漏りの防止に非常に役立ちます。
下記記事に詳しい説明をしているので、参考にしてください。
プライマーを塗らない
プライマーとは、コーキングと部材を接着させるためのノリのようなもので、コーキングを打設する前に塗布する必要があります。
外壁塗装をする前の下塗りが薄いと、コーキングの密着力が低下し、すぐに部材から剥がれてしまいます。
また、下塗りが薄いどころかプライマーを塗らない工事は意外と多く、剥がれてはじめて発覚することが多いのです。
対策としては、使用したプライマーの缶を残してもらって、適正数量が使われているか確認すると良いでしょう。
マスキングテープなし
極論をいうと、上に塗装がかかれば隠れるため問題はないですが、場合によっては不具合につながります。
マスキングテープ養生なしで施工すると、プライマーとコーキングが目地からはみ出て、見た目がきたなくなります。
コーキングの種類によっては、薄膜になることで硬化しない場合もあるため、塗装への影響が考えられます。
塗装下地処理工程の手抜き
塗装前の外壁の下処理に手を抜くと、塗装で隠れてしまった下地のひび割れなどの劣化が進行し、将来的に大掛かりな工事が必要となる場合があります。
塗装における下地処理は最も重要な工程といえるでしょう。
塗装下地処理工程で考えられる手抜きは以下の3つです。
- 現場調査の時間が短い
- 外壁洗浄していない
- ひび割れを補修しない
それぞれ詳しく解説します。
現場調査の時間が短い
工事前の現場調査の時間が短い場合は注意が必要です。
15〜30分程度で調査が終わるはずがありません。
この場合、外壁の劣化箇所の見落としが多数ある可能性が高いため、結果的に手抜き工事につながる場合があります。
外壁洗浄していない
外壁は経年で汚れたり劣化しています。
外壁表面には汚れや劣化による流出物などさまざまなものが付着しているのです。
外壁洗浄をせずに塗装すると、塗料は汚れに密着するだけなので、すぐに剥がれてしまいます。
近年、外壁本来の性能が上がっており、汚れにくいコーティングがなされています。
しかし、だからといって洗浄が不要になることはありません。外壁塗装をする前に高圧洗浄していない業者は手抜きの可能性があります。
外壁洗浄について詳しく知っておくと、その場で気づくことも可能なので、外壁塗装を行う前に調べておくと良いでしょう。
外壁洗浄については、こちらの記事で詳細を紹介していますので、ぜひご覧ください。
ひび割れを補修しない
ひび割れを補修しないまま塗装すると、その上の塗装が割れてきます。
放置していると、水が入って漏水や腐食につながってしまうのです。
塗装した時点では気づきにくいため、手抜き工事の指摘が困難なパターンです。
現場調査の時点で、できるだけ調査員と一緒に見て回り、ひび割れ補修の依頼をしましょう。
塗装工程の手抜き
塗装で手抜きされたら流石にわかるでしょ。
このように考える方も多いと思います。
確かに仕上がりが雑であれば指摘はできますが、塗装の場合、仕上がりを変えずに手抜き工事ができるのです。
気づき辛い塗装工程の手抜きは、以下の4つです。
- 塗装回数が少ない
- 塗料の薄めすぎ
- 養生時間を取らない
- とにかく塗りが雑
最後まで読み進め、手抜きをされない外壁塗装に役立ててください。
塗装回数が少ない
一般的に塗装回数は下塗り1回、上塗り2回の合計で3回が基本ですが、塗装回数を減らす業者がいるのです。
1日で塗装工程が終わっている場合などは、手抜き工事の可能性が高いといえます。
使用した塗料の空き缶を残してもらうことで、使用した量が明確になるため、手抜き対策となります。
塗料の薄めすぎ
塗料は種類によって、水や溶剤で希釈させて使用します。
手抜き工事というよりは、塗料代を削減するために規定以上に薄められて施工されるケースがあるのです。
塗料を希釈しすぎると、塗膜に厚みが付かないため、数年で劣化してしまいます。
養生時間を取らない
コーキングや塗装の乾燥時間を取らずに、施工してしまうと密着不良や塗装の割れにつながってしまいます。
この場合、いくら耐用年数が長いものを使用しても、すぐに剥がれてしまうのです。
3回塗りのはずなのに、1日で施工が終わるような場合は、手抜き工事の可能性があります。
とにかく塗りが雑
雨樋の裏や付帯部など、塗りにくい箇所の塗装が雑になっていたり、細かい塗り残しが多いのも手抜き工事の特徴です。
これらは、チェックをしっかりすることで発見できるので、見つけた場合は指摘しましょう。
その他の工程での手抜き
塗装工程以外でも、手抜き工事の事例はいくつもあります。
気づきにくく、後々重症化してから発覚するポイントもあるので、あらかじめ知っておき注意しておくことで家を長持ちさせることができるでしょう。
- 屋根の釘を打っていない
- 縁切りをしていない
- 見積もりに書いてあることをやらない
- 雨天でも塗装する
それぞれ詳しく解説します。
屋根の釘を打っていない
屋根の頂上には板金が被せられており、釘で固定されています。しかし、釘が太陽の熱などで熱膨張を起こすことで、徐々に抜けてしまうという問題があります。
これ自体は仕方のないことなので、抜けそうな釘が風に飛ばされてしまう前に、塗装のタイミングで打ち直してもらうことが大切です。
しかし、手抜き業者は少しでも工程を少なくするため、そのことを知っていながらも釘を打たずに塗装を行います。
中々気づけないことですが、そういったことをする業者は他の見えない箇所でもそういった手抜きがあるかもしれません。依頼する前にチェックしておきましょう。
縁切りをしていない
縁切りとは、スレート瓦の屋根をローラー等で塗装した際に起こる、屋根瓦の重ね目に塗装が入り込み塞いでしまう状態を解消する措置です。
スレート瓦は重ね目から雨水を排水していく仕組みなので、縁切りをせず重ね目が塗装で塞がった状態だと、雨水がそこに溜まり雨漏りの原因になります。
気づいたときには重症化していることが多い、住宅トラブルの代表と言えるでしょう。
縁切りをしていない業者は絶対に避けなければいけません。証拠の写真を撮ってもらったり、作業の前に声をかけてもらい様子を見学するのも良いでしょう。
見積もりに書いてあることをやらない
プライマーの塗布や下塗り・外壁洗浄などが見積もりに書いてあっても、手抜き業者は行わないケースがあります。
特に、下請け業者などは少ない請負金の中から利益を上げるため、作業工程を減らそうとする業者が少なくないでしょう。
見積もりに書いてあるからといって全て業者任せにせず、作業の確認を逐次行っていくことが大切です。
また、その際には、この項目ではどういった作業を行うのか、ということも調べておきましょう。手抜き工事をその場で見抜くことに役立ちます。
雨天でも塗装する
塗装工事は、少しの雨でも中止にすべき工事です。
塗装は雨に弱いため、作業中に雨が降っていると流れて膜厚が薄くなってしまったり、十分に乾燥しきらずはがれやすくなったりしてしまうからです。
雨天でも塗装工事を行う場合は、手抜き工事と言っても良いでしょう。
工事の中止や日程変更は業者にとって不利益を被ることなので、利益のみを考える業者は雨が降っても強行する可能性があります。
外壁塗装の寿命が確実に縮まってしまうため、雨が降っても強行しようとする業者には注意してください。
外壁塗装で手抜きをされたらどうするべきか
外壁塗装で手抜き工事が発覚した場合、どのように対処すべきかを確認していきましょう。
業者へ指摘してやり直してもらう
手抜き工事が発覚した時には、業者に指摘して直してもらうことが大切です。また、その際にはできるだけ、その場で指摘することが肝心になります。
その場で指摘しなければ、支払い後に理由をつけて逃げられることもあるからです。
指摘した補修が終わるまで、支払いをしないことも視野に入れておきましょう。
第三者機関に相談する
業者に指摘をしても直してもらえない場合やトラブルに発展したときは、第三者機関に相談してください。
主な相談先は以下の3つです。
- 消費者センター(国民生活センター)
- 住宅リフォーム紛争処理支援センター
- 弁護士
いずれに相談しても、解決に向けて協力してくれます。
困ったときは自力で解決せず、相談することをおすすめします。
外壁塗装の手抜きを防ぐための業者選び3つの調査ポイント
ここまで、手抜き工事が発覚した事例や対処について、紹介してきました。
最後に、手抜き工事を発生させないための調査ポイントを3つ紹介します。
- 現場調査に時間をかけてくれる業者を選ぶ
- 詳細な見積書をもらう
- 写真で作業工程を残してもらう
それぞれ詳しく解説します。
現場調査に時間をかけてくれる業者を選ぶ
まずは、現場調査に時間をかけてくれる業者を選びましょう。
手抜きをする業者は、現場調査の段階から手を抜きます。
30分未満で調査を終わらせる業者には、工事を依頼しないようにしましょう。
詳細な見積書をもらう
外壁塗装工事 一式 〇〇万円
上記のように、足場やコーキングなどのメイン工事が「一式」でまとめられている場合、詳細を記載してもらうようにしましょう。
「一式」とあいまいな表現をされることで、手抜き工事が発覚しても逃げられる可能性があります。
写真で作業工程を残してもらう
作業工程や使用した材料の空缶の写真と工事記録を残してもらうようにしましょう。
こうすることで、手抜き工事の抑制になるのです。
また、手抜き工事が発覚したときの証拠になるので、契約前に写真での工事記録を残してもらえるよう依頼しておきましょう。
外壁塗装で手抜き工事が起こりやすい理由
ここまで外壁塗装の手抜きの事例や見抜くポイントを解説してきました。工事を依頼する際や工事中は十分気を付けてください。
「そうそう手抜き工事は起こらないだろう」「ちょっと確認しておけば大丈夫だろう」そういった考えは非常に危険です。
塗装工事には、以下の2つの背景があるために、残念ながら手抜き工事が起こりやすくなってしまっている現状があります。
- 下請けに依頼して不十分な塗装工事となってしまう
- 外壁塗装工事の手抜きはばれにくい
それぞれ詳しく解説します。
下請けに依頼して不十分な塗装工事となってしまう
外壁塗装の手抜き工事は、業者が下請けに依頼することで発生するケースが多いです。
工事を請け負った業者が下請けに仕事を出す場合、自社の利益を確保するため、手数料を天引きして出しています。そのため下請け業者は、少ない請負金額の中で塗装工事を行わなければいけません。
下請け業者も利益を出すために、早く終わらせたり、材料の節約をしたいと考えるため、それが手抜き工事に繋がってしまうのです。
しかし、反対に言えば、下請けに仕事を出さず自社で外壁塗装を行っている、という業者に手抜きは少ないことになります。
依頼する業者の選定の際には、下請けに出しているのかいないのかをチェックしておきましょう。
外壁塗装工事の手抜きはばれにくい
塗装工事の手抜きの影響は、数年後に発生します。
いい加減な外壁塗装も、きちんとした外壁塗装も、出来上がったばかりの状態では見た目にあまり差はでません。
- 光沢の低下
- 塗膜のヒビ・浮き・剥がれ
- 汚れが付きやすい
このような現象はきちんとした塗装ならば1~3年はまず起きませんが、手抜きをされてしまった場合は発生する可能性が高くなります。
すぐさま発覚しないからこそ、手抜きが横行してしまっている現状があるのでしょう。
塗装工事の工程自体が非常に細かく専門的であるせいで、いくつか省いてしまっても依頼者には分からないことも原因の一つです。
少し知っておくだけで手抜き工事の可能性を減らすことが可能なので、工事の前には今一度、何に気を付けておくべきかを確認しておいてください。
複数社の見積を必ずもらおう
「手抜き業者を見抜く=優良業者を見つける」ことです。
そのためには複数社からの見積書が必要となります。複数社から見積してもらうメリットは以下の2点です。
- 相見積もりを取ることで相場がわかる
- 各業者の現場調査の質や本気度が比較できる
外壁塗装は場合によっては、100万円以上かかる大きな買い物です。
業者選びを失敗しないためにも、慎重な選択をしましょう。
地元で優良な塗装業者をさがしませんか?
外壁塗装をするなら地域相場の把握は絶対条件といっても過言ではありません。
残念なことですが、外壁塗装業の業界では、いまだにぼったくり業者は存在します。
被害にあわないためにも、外壁塗装の地域相場を知っておく必要があるんだね!
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